【YouTubeの裏側】物理的に工場でメンタル削ってみた。

本動画のあらすじ

今回の動画は、まず廃材の中からH鋼を取り出し、CAD / CAM(GO2cam)を用いて「メンタル」というカタカナ四文字が浮き出るよう文字以外の表面を削るデータを製作しました。
そのデータどおり、立体マシニングセンタにより表面を加工した上で、その文字以外の表面が削られたH鋼を斜めに固定し、文字が少しずつ端から削れていくよう、立体マシニングセンタにて再加工を施しました。
SDGsの達成に向けた取り組み

MINAテクノロジーでは、SDGs宣言を社内外に表明しており、今回の動画の背景には、そのテーマの一つである「ゴミ・廃棄物削減」における廃棄物排出量の削減、リユース・リサイクルの推進という取り組みもあります。
このYouTube事業の企画を通して、普段加工に触れたことのない方にも加工の面白さや楽しさを知っていただける入り口となるようなきっかけを作ることができれば、廃材にもまた一つの意味を持たせられると感じた動画となりました。
文字を掘るという挑戦

また、加工自体も苦戦する場面が多く見受けられ、通常業務では行わない文字を浮き出させる加工や、治具による固定では多くの工夫を強いられました。
具体的には、立体マシニングセンタを用いて文字を浮き出させる加工をする場合、データに応じて文字の間を通れるように、刃の大きさを考えなくてはなりませんでした。
このような業務は、精度を求められる普段の加工とは少し種類が異なるため、経験がなく、加工担当者も刃が折れてしまうのではないかと不安になったり、切削条件から切削液をかけるべきかどうか悩んだりと、新たな挑戦の連続となりました。
加工中に最も苦労した点

その上で、治具による固定では、より多くの工夫を強いられる結果となりました。通常、MINAテクノロジーではH鋼の表面を立体マシニングセンタによって加工することはありません。そのため、通常業務で使用している治具の中には最適なものがなく、H鋼という特殊な形状が重心を複雑にさせ、これまでの経験からは予測が困難な状況となりました。
加えて「メンタル」の文字が少しずつ削れたほうが映像的に良いという演出の都合上、角度をつけて斜めの状態で加工することとなったため、重心がさらに複雑になり、最初は共振のような現象がみられました。その結果、びびり振動(チャタリング)のようになり異音が聞こえてしまうこともしばしばあり、動画本編に収まっている本加工では多くの微調整が行われました。
びびり振動(チャタリング)
加工中に工具と工作物の間で連続的に発生する振動(英語: chatter)
YouTube事業の意義を感じた瞬間

しかしその苦労の甲斐もあり、ショート動画ではとてもたくさんの方にご視聴いただき、大変多くの温かいコメントに出会うことができました。
これまで専門的な知識や経験を持ち合わせながらも、魅せ方や切り口の部分で頭を悩ませることが多々あったこのYouTube事業ですが、エンタメの入り口から加工に興味を持っていただけたり、MINAテクノロジーという会社を知っていただけるきっかけとなったり、YouTube事業を始めた意義や大義を改めて感じる動画となりました。
日常で「ものづくり」に触れている身としては、製作したものをすぐに削ってしまう今回のような動画は、生産性がなくものづくりとして機能していないような気がしてしまい、撮影中もどこか虚しさを感じておりました。
しかし、発信した上でコメントや高評価などを通してフィードバックをいただくたびに、本質的には今回のような動画も、ものづくりの一環であったと考えさせられました。
ミナテクチャンネルが目指すもの

大袈裟かもしれませんが、コメント欄にある「次は〇〇を削ってほしい」などのリクエスト一つひとつが金属加工について考えていただけた証拠であり、MINAテクノロジーへの期待であると感じています。
そんな期待や興味を一身に背負い、今後も日本のものづくりが世界に誇れるものだと皆さんに感じていただけるような発信をしてまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。
動画内で使用された設備

CAD / CAM(GO2cam)

立体マシニングセンタ












