【YouTubeの裏側】不可能 工場で絶対に解けない知恵の輪を作ってみた。Cube in cube.

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本動画のあらすじ

今回の動画は、立方体のアルミニウムに中心に近づくにつれて少しずつ小さくなっていく円状の穴を4段階開け、最後に各接点を削り落とすという同様の加工を6面それぞれ施すことで、金属加工に携わっている者はもちろん、普段金属加工に縁がない方でも加工方法が気になってしまうようなオブジェクトを製作する動画となっております。

具体的な製作手順

最初の手順としては、まず立方体のうちの1面を選び、その表面をごく微細ではありますが丁寧に削り取っていきます。わずかな凹凸も残らないように注意しながら平滑に整えたうえで、その面に対して直径の異なる4つの穴を、あらかじめ決めた位置に正確に開けていきます。

続いて、1面目と同様の手順を用いて立方体の2面目にも同じような加工を施します。まだ全体は完成していない段階でありながら、立方体を通して向こう側が一部だけ見えるような空間が内部に生まれ、立体の中に抜ける部分ができていることが視覚的にも分かるようになってきます。このあたりまで進むと、最終的な完成形がどのような姿になるのか、ぼんやりとではありますが少しずつイメージできるようになってきます。

撮影中に意識したこと

この際重要になってくるのが、こまめに油を塗ることと直径を狂わせないための微細な旋盤操作です。油を塗ることによって潤滑性が高まり、加工面が綺麗になったり、工具の摩耗構成刃先を防ぐことにつながったりします。

構成刃先とは

切削加工の圧力摩擦熱によって刃先に切粉などが溶着し、別の刃先のように振る舞うことで想定していない部分を切削してしまう現象

直径における微調整では、汎用旋盤手作業での操作になるからこその苦労が多くみられ、動画本編の中盤でもあったように加工担当者も首を傾げるようなシーンが何度かありました。

気づかされた点

MINAテクノロジーの通常業務では治具の製作などに使われることが多い汎用旋盤ですが、動画ではカットされているところでバリ取りを丁寧に行うことで、動画の終盤のような仕上がりまで完成品を持っていくことができました。

普段とは異なる操作や製作過程は、普段とは異なる頭の使い方や操作を自然と生み出し、通常業務で培われてきた精度機能性を実現するアイデア力は、オブジェクトという一見全く別方向の完成品を目指す製作過程でも、綺麗に仕上げるために精度を出す必要があったり、油や治具を工夫しなくてはいけなかったりと多くの場面で活かすことができました。

この撮影に至った経緯と裏話

また、こちらも動画に収まることはありませんでしたが、このYouTube事業は開始までに加工者の選定チャンネル企画のコンセプト、実際に撮影する企画の発案選択などが長い時間をかけて行われました。

より多くの人に楽しんでもらえる動画は何か、その加工は何か。
どのような魅せ方、伝え方があるのか。

撮影開始に至るまでに多くのことを話し合い、その過程で悔やまれながらもボツになった企画も少なくありませんでした。しかし、今回の動画はそんな苦労の中で加工担当者が自ら参考になるような海外のYouTubeの動画を見つけ、最初は撮影するつもりもなく、練習も兼ねて社長に相談し試作を行ったところがスタートとなりました。その結果、実際の完成品を見た社長が「面白いと思ってもらえるかもしれない」と感じるに至り、記念すべき2本目の投稿かつ汎用旋盤を用いた初投稿となりました。

ミナテクチャンネルが目指すもの

今回はYouTube事業で初の汎用旋盤による加工でしたが、これからものづくりの楽しさを幅広い世代に知ってもらうためには、普段馴染みのない機械や知る機会のない製作過程をコンテンツの魅力とともに発信していかなくてはならないと思っています。

そんな想いを胸にまだまだ手探りの状況ではありますが、これから全力でこのYouTube事業も頑張っていこうと思います。
今後も日本のものづくりは世界に誇れるものだと皆さんに感じていただけるような発信をしてまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。

動画内で使用された設備

汎用旋盤

【不可能】工場で絶対に解けない知恵の輪を作ってみた。Cube in cube.

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